2018年11月17日

寒くなったらオシッコのトラブルに注意!

まだ札幌平地では雪が観察されませんが、だいぶ寒くなってきましたね。
週末頃から雪の予報もありますので、ドカ雪にご用心。。

昨年の11月の大雪には大変痛い目に遭いました・・・


こうして寒くなると、ワンちゃんネコちゃんは活動量が少なくなり、飲水量も少なくなります。

まず気をつけていただきたいのが膀胱炎です。

特にネコちゃんは要注意!

トイレに行くけどオシッコが出ない・・・
トイレから帰ってこない・・・

というときは膀胱炎や、尿道閉塞(尿づまり)の可能性があります。

重症化すると、命に関わる腎不全を招くこともあります。


尿閉.png

また慢性腎臓病のリスクも高まります。

気温が下がることで、神経の作用により腎臓の血管が収縮し、腎臓の血流が悪くなります。
これが腎機能の低下を招いてしまうようです。


慢性腎臓病になるとどんな症状が出るのでしょう?

初期は何の症状もありません。

・・・というと語弊が生じますね。

多飲多尿という症状が現れます。

最近よく水を飲むようになったな・・・
オシッコの時間が長くなったな・・・
ペットシーツの尿の広がりが大きくなったな・・・
オシッコの色が薄くなったな・・・

これらは多飲多尿のサインです。

進行してくると、嘔吐・食欲不振といった胃腸障害や体重減少がみられるようになります。

このような症状が現れてから病院を受診される方が多いのですが
この段階で腎臓病が分かった場合、その子の残存している腎機能の割合は30%以下にまで落ちています。


明らかな症状が出てからだと、すでに進行してしまっているんです。

さらに進行すると、胃腸症状の重症化や貧血、腎臓以外の全身症状の発現などがおこり、死に至ります。

今までに診察させていただいた子の中には、腎臓病と分かってから2ヶ月で急激に悪化して亡くなってしまった子もいました。
早期の発見ができていれば・・・と悔やまれる症例でした。

この話はワンちゃんのお話なのですが、
ワンちゃんの腎臓病は非常に進行が速い場合もありますので要注意です。


ですから、早期発見は重要です。
早期発見ができれば食事療法やサプリメント、定期的な検査や診察といったアドバイスができるようになります。
早期の治療介入が進行を遅らせることもあります。

早期発見するには・・・

・まず多飲多尿に気がつきましょう!

  これは診察だけでは分からないことです。
  量りや計量カップなどを使って1日あたりの飲水量をチェックしてみましょう。
  ワンちゃんで体重×90ml、ネコちゃんで体重×45mlほどの量を飲んでいるようならば
  多飲多尿の疑いが高いです。

・10歳になったら定期的に健康診断をうけましょう!
  
  10歳頃から腎不全の罹患率は増加してきます。
  尿検査によって多飲多尿の兆候を見つけたり
  血液検査によって初期の腎臓病リスクを調べたりすることができます。  



来月は腎臓病の早期発見につながるキャンペーンを実施しますので、
この後のブログをチェックしてみて下さい。
posted by きらりん at 18:38| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする